ご意見・お問合せ サイトマップ
市川市文化振興財団「てこな」のトップページです 行われるイベントとチケットの販売情報を掲載しています お知らせを掲載しています 市川市文化振興財団のご案内です
てこなホーム 市川文化人 池松賢介
 
財団ご案内
 
上総掘り(かずさぼり)に挑戦されている池松賢介さん

財団: 今回は中山1丁目のご自宅の庭で上総掘り(かずさぼり)に挑戦されている池松賢介さんをご紹介いたします。
ご自宅での上総掘りは3月下旬に開催される“中山街回遊展”の回遊スポットとしても皆様にご案内する予定です。この度はお忙しいなか、お時間を頂戴しましてまことにありがとうごいます。
今回は上総堀り(かずさぼり)についていろいろとお聞かせ頂ければと思っておりますのでよろしくお願いいたします。
早速ですが、「上総堀り(かずさぼり)」という名称を始めて聞く方も多いと思いますので、簡単にご説明をお願いいたします。
池松賢介さん
 
池松: 上総掘り(かずさぼり)を、一人でも多くの方にご紹介できる機会を頂けて嬉く思っております。こちらこそ、よろしくお願いいたします。
上総掘り(かずさぼり)は千葉県の上総地方において、明治時代に考案された井戸掘りの技術で、掘削場所にヒゴ車とハネギ等を取り付けた足場を組み、掘削中は、孔壁の崩れの防止と掘った屑を浮き上がらせるために粘土水を常に注入しておきます。掘削は、ノミをつけた掘鉄管の上に竹ヒゴ継ぎシュモクを取り付けて握り、鉄管の自重を利用して孔底につきおろすことによって掘り進めますが、引き上げの負担を軽くするために、竹ヒゴをハネギに連結し、ハネギの弾力を利用して人の力を補完します。
  吸入弁の動きで鉄管内に堀り屑がたまるとヒゴ車を回して竹ヒゴを巻き上げ、鉄管内の堀り屑を地上に排出します。掘鉄管より軽い浚渫(しゅんせつ)専用のスイコに付け替えて泥汲み作業を行いますが、この作業を繰り返しながら堀り進みます。
用具の構成は、掘削用具、井戸仕上げ用具、管理用具、非常用用具、工作用具と数多くありますが、これらは、身近に存在する素材の特徴を有効に生かすように手作りしています。
また、掘削には、エンジン等の動力を使わず、少ない人手と竹の弾力を利用してヒゴ車を回しながら地中を1,000mぐらいまで深く掘り進めることができます。このような技術は、職人たちの長年の技と経験から生まれたものです。
 
財団: なるほど。歴史ある掘削方法なのですね。
池松さんが上総掘りをやってみようと思った動機を教えて頂けますか?
 
池松: 私が上総掘りに取り組んだ動機は、“手作り”ということでしょうか。
上総掘りに使う道具は、ほとんどが手作りなのですよ。手作りするには「人の技」とそれに伴う「勘」と「努力」が重要となりますが、これを達成するためには、時間と手間もかかります。私はそのような“手作り”の難しさに挑戦するのが好きです。
 
財団: 今や掘削する機械やさまざまな工法が発達しておりますが、人力での掘削はとても大変だと思いますが、実際に掘っていてのご苦労をお聞かせください。
 
池松:  上総掘りは、竹ヒゴや掘鉄管など長いものや重たいものが多くその取り扱いに苦慮しています。また、掘るときは2〜3人を必要をしますので人手不足の状態です。
 
財団: 機材等々をそろえるとなると準備だけでも大変なのではないでしょうか?今回準備には何日ぐらいかかったのですか?
 
池松:  そうなんですよ、資材を調達してから用具を作り上げるまでに約3ヶ月程度かかりました。その間、堀鉄管等は業者の方に作成を依頼しました。
 
財団: 準備だけで3ヶ月ですか!やはり手作りで専用の道具を作るとなると準備だけでも大変なのですね。
今回はいつから掘り始めたのでしょうか? 手掘りでは一日にどれくらいの深さが掘れるものなのでしょうか?また、現在は何メートルぐらい掘り進んでいるのでしょうか?
 
池松:  掘り始めたのは昨年(2005年)12月10日で、一日に掘れる深さは地層により異なりますが、30センチぐらいのときもありますし、3メートルぐらいまで掘れるときもあります。
現在は(1月31日現在)35メートルほど掘っております。
 
財団: 一緒に掘っているお仲間たちについてお聞かせください。
 
池松: 「袖ヶ浦市郷土博物館」の館内に「鶴岡塾(上総堀り技術伝承研究会)」が開設されておりまして、用具の作り方や掘削の実技などに取り組んでいる会員が数十名います。その仲間が応援してくれますが、常に人手不足の状態です。また、その会員のなかには、海外での井戸掘りボランティアを目指しているメンバーもいます。
 
財団: 阪神大震災でも水の大切さや、また、雨水等の利用等々で水のリユースが定着し始めていますが、地下水の利用方法についてお考えのことがあればお聞かせ頂けるでしょうか?
 
池松:  世間で水の大切さが理解されつつあるのはとてもうれしいことだと思います。
これからの掘削状況によりますが、もし、水質等の条件が良ければ近隣の方々と共同で水を利用できるようになれば理想です。また、災害時には優先して水を提供したいと考えております。
 
財団: そろそろお時間なので最後に、今後の上総掘りに関して池松さんの夢を語ってください。
 
池松:  上総掘りは、身近にある素材を加工してその素材の特徴を活かし、簡素で効率のよい掘削方法が工夫されており、先人の知恵と技とその努力によりこの技術が完成されているところが魅力です。また、この上総掘りは環境にやさしいことも大きな魅力です。
なお、この上総掘りの技術は、今春、国の「重要無形民俗文化財」に指定されることになりました。これは平成17年4月1日の文化財保護法改正後、全国で初めての民俗技術分野の指定となります。これを期に、より一層の技術の伝授と普及に努めたいと考えております。
 
財団: 本日は長時間にわたりありがとうございました。ますますのご活躍をお祈りしております。
 
池松: こちらこそ、ありがとうございました。
 
〈お知らせ〉
  3月25日(土)・26日(土)と中山地域で街回遊展が開催されます。
詳しくは下記をごらんください。
中山街回遊展 
 



 
〈『上総掘り』関連サイト〉
千葉県立上総博物館
 ※「デジタルミュージアム」のページをご覧ください。
袖ヶ浦市郷土博物館


市川文化人バックナンバー
第16回 落語家 立川笑志さん
第15回 洋画家 中村晃彩さん
第14回 日本画家 岡本明久さん
第13回 彫刻家 陳漢さん
第12回 書家 井上清雅さん
第11回 洋画家 中山忠彦さん
第10回 動物・昆虫イラスト作家 池田達男さん
第9回 コラージュ・アート作家 大石幸枝さん 第9回 コラージュ・アート作家 大石幸枝さん
第8回 書道家 及川扇翠さん 第8回 書道家 及川扇翠さん
第7回 画家・絵本作家 梶山俊夫さん 第7回 画家・絵本作家 梶山俊夫さん
第6回 江戸つまみかんざし創作家の穂積実さん 第6回 江戸つまみかんざし創作家の穂積実さん
第5回 水中写真家・(社)日本写真家協会(JPS)会員・市川写真家協会(IPPS)理事 田中正文さん(Sammy) 第5回 水中写真家・(社)日本写真家協会(JPS)会員・市川写真家協会(IPPS)理事 田中正文さん(Sammy)
第4回 ビスクドール認定講師・ヨーロピアンポーセリンペイティングインストラクター 足達英子さん 第4回 ビスクドール認定講師・ヨーロピアンポーセリンペイティングインストラクター 足達英子さん
第3回 上総掘りに挑戦 池松賢介さん 第3回 上総掘りに挑戦 池松賢介さん
第2回 元東洋大学学長・文学博士・日本歌人クラブ会長 神作光一先生 第2回 元東洋大学学長・文学博士・日本歌人クラブ会長 神作光一先生
第1回 宝塚歌劇団星組 大真みらんさん 第1回 宝塚歌劇団星組 大真みらんさん


財団ご案内
   市川文化人
立川笑志
中村晃彩
岡本明久
陳漢
井上清雅
中山忠彦
池田達男
大石幸枝
及川扇翠
梶山俊夫
穂積実
田中正文(Sammy)
足達英子
池松賢介
神作光一
大真みらん
 会報ミューズジャーナル
 設立20周年を迎えて
 理事長挨拶
 役員および評議員
 寄附行為
 
市川市文化振興財団施設情報
市川市文化会館
行徳文化ホールI&I
八幡市民談話室
市川市市民会館
芳澤ガーデンギャラリー
木内ギャラリー
郭沫若記念館
清華園(中山文化村)
旧片桐邸(中山文化村)
水木邸
 
 
このページの上へ戻る  
市川市文化振興財団 財団法人市川市文化振興財団
市川市大和田1-1-5 TEL.047-379-5111
Copyright (c) 2004 TEKONA.all rights reserved