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画家・絵本作家の梶山俊夫さんインタビュー

財団:

今回は、画家で絵本作家の梶山俊夫さんをご紹介します。

梶山俊夫さん
≪梶山俊夫さん プロフィール≫
1935年東京亀戸に生まれる。抽象画家として出発し、1962年シェル美術賞受賞。1963年ヨーロッパ各地を彷徨、翌年帰国。その後、全国の国分寺跡や奈良時代の廃寺跡を3年間訪ね歩く。
1967年に初めて絵本の仕事に取り組む。以来、日本の自然や風土、民話を題材に絵本を描き続け、ブラチスラバ世界絵本原画ビエンナーレ「金のりんご賞」や講談社出版文化賞、小学館絵画賞、絵本にっぽん大賞などを受賞し、絵本界の第一人者として高い評価を得ている。
市川市には1961年から在住。長年にわたる創作活動により、1998年には市川市民文化賞・奨励賞を受賞。
現在、日本国際児童図書評議会会員。文芸誌『虚空』同人。市川市民文化賞を推進する会選考委員。
 
財団: 梶山さんが、絵本を描こうと思った動機を教えていただけますか?
 
梶山:

はじめから絵本作家を志していたわけではなくて、人に勧められたのがきっかけですね。平安時代の絵巻『鳥獣戯画』をもとにした絵本をつくるから、レイアウトを手伝ってくれないかと誘われまして。その時に絵巻の実物を見せてもらって、強い感動をしたんです。
絵の中にすーっと入り込んでいくような、もしかしたら自分が描いたんじゃないかなというような作家との時空を超えた交流のようなものを感じた。
この出会いはすごく新鮮な体験でね。その後も絵本の原画を描きながら、私は絵本という世界に完全にのめりこんだんですね。だけど、絵本だけを一生の仕事にしようとは全然思っていなかった。

 
財団: 初めて絵本の仕事をされたのが1967年で、その後約40年にわたり絵本を描き続けているんですね。テーマにされていることはありますか?
 
梶山:  まだ抽象画家として活動していた頃ですが、ヨーロッパ各地や全国の国分寺跡や奈良時代の廃寺跡をあちこち旅していたんです。田園風景の中を歩いていると、疎開していた子供時代のこととか思い出されて。また、自分のこれからの生き方や自分自身のことを見つめ直したりしました。
その後、絵本を描くようになって…。日本の自然や風土、民話をテーマにすることが多いですね。やはり子供の頃に体験した田舎での生活や出会った仲間たちとのこと、各地を旅をしたとが大きく影響していると思います。 最近では、日常生活の中で体験したことを描くことも増えてきていますが。
どんなテーマのものでも、物語と自分との関わりが大切だと思います。物語に正直に自分自身の心を向けなければ、読み手の子供に満足してもらえない。一度読んだらそれで終わりになってしまう。子供に好かれそうな絵を、面白く上手に描けば良いというものではないんですよね。


 
財団: 梶山さんは、絵本原画を絵本にするだけでなく、折本や絵巻にもされているそうですね。
 
梶山:  私は、だいたい絵本原画の前に、折本というものを作ります。これは絵の流れを把握するためです。絵本原画を絵巻として再生する試みは、1991年ころから始めました。
時代を超えて率直に交感しあえる日本の絵巻に強く引かれて、原点に還ることに熱を傾けています。同じ物語でも、絵本と絵巻とでは、異なる魅力があります。
 
財団: 絵本だけでなく、木版画やガラス絵、陶作品の制作にも取り組まれていますが、それぞれ始められたきっかけや魅力について教えて下さい。
 
梶山:  木版画は40歳代(1970年代頃)から始めました。以前からやりたかったもので、下絵を描いて、彫って摺るという一連の流れを全て自分でやっていました。
ガラス絵は60歳代(1999年頃)から人に勧められて始めたのがきっかけで、ここ数年、毎日のように作っています。陶作品も同じ頃に始めました。ガラス絵は、毎月発行されている『月刊いちかわ』の表紙絵としても連載中です。
それぞれ紙に描く絵本原画とはちがう魅力、作る面白さがありますね。
 
財団:梶山さんのこれら様々な作品を紹介する展覧会が、この夏、市川市芳澤ガーデンギャラリーで開催されます。梶山さんには監修者としてご協力をいただいていますが、一言、メッセージをお願いします。
 
梶山:

相対する相手が大小さまざま、紙であったり布であったり、木であったり土であったりガラスであったりと、その各々への手法はちがいます。が、制作しながら、あっと自己発見をしていく、リズムは刺激的で新鮮です。さらにひらかれる世界を実感するのです。そしてふっと共に共感しあえたらうれしいかぎりです。

 
財団:では、最後に今後の抱負等あれば、よろしくお願いします。
 
梶山: そうして自由な運動体となって、遠い時を超えて、人と天地と対感しあっていきたいなあ…と思います。
 
財団:本日はお忙しい中、大変、ありがとうございました。
 
梶山: ありがとうございました。
 
〈連絡先〉
  市川市若宮1-17-11(アトリエ) TEL047−334-3977
  
〈お知らせ〉
市川市芳澤ガーデンギャラリー
  
梶山俊夫 お話の絵展
 2006年7月22日(土)〜2006年9月3日(日)
  
講演会「永遠のこどもたちへ」 【梶山俊夫お話の絵展 関連イベント】
 2006年8月6日(日)  開演14:00 終演15:30


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