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文化振興活動

外山啓介

10月下旬某所にてリハーサルを終えた外山啓介さんが、市川のプログラムについて、また30歳を迎えた「今」の外山啓介について熱く語ってくれました。

外山啓介

財団 今回市川だけプログラムを変えて頂いたのですが、前半は編曲ものですね?

外山啓介 昔は現代のように、YouTubeやCD、配信などで自分が聴きたい時に聴きたい曲が聴けなくて、とても大変でした。そこで、リストなど色んな作曲家たちがピアノ一台で弾けるようにしたら、もっと広がって有名になる曲がたくさんあるだろう、ということで編曲が誕生したと言われています。編曲ものって、原曲の雰囲気を壊してしまう事もあるのですが、良く聴き込んでいくと根底にあるイメージみたいなものは守られていて、その辺が面白いなと思い今回前半に編曲ものを集めてみました。

財団 後半は、今年のツアーでも演奏されているリスト2曲ですよね。プログラムを見ると、前半は『編曲』後半は『リスト』でまとまっています。プログラムを構成するうえで意識されていることや、ポイントがあれば教えて下さい

外山啓介 プログラムを構成するときに何か1つ共通項というか、軸みたいなものが欲しくて、今回市川のプログラムは、前半は『編曲もの』後半は『リスト』という軸で考えてみました。こうやって見てみると結構市川のプログラムは好きですね。プログラムって決める時は楽しいんですけど、練習している時はツラいんですよね…(笑)

財団 今年30歳を迎えられましたけど、現在の心境はいかがですか?

外山啓介 デビューして8年目ですが、凄く充実しています。いい意味で『仕事』をしている実感があるというか。振返ってみると2、3年目は『仕事』はしていなかったかなって思いますね。ただ一生懸命なだけだった。勿論当時も理解はしていたつもりだったんですけれど。そう考えると、ちょっとは大人になったのかな。

財団 華々しいデビューだったので、どうしても王子様キャラというイメージがありますが

外山啓介 ウサギとカメに例えるならば、ウサギではないですね。デビュー間もない頃は周りについていけなかったし、ついていけてない事にも当時は気づいてなかった。僕が一番後悔しているのは、それを全部人のせいにしていたこと。でもある時、最後に「はい」と言ったのは自分だろって気づいた。「仕事」の意味も当時わからなかったし、気持ちがついていけない時がありました。

財団 人の気持ちって音に出ますが、以前より充実感が演奏に表れていますよね

外山啓介 嬉しいですね。確かに落ち着いたと思います。丸くなりましたよね。気を張っていないと昔は立てなかった。自分から牽制していかないと怖かったんですね。それが今はなくなったかな。

財団 いつを境にとかありますか? 2012年の「展覧会の絵」のツアー以降印象が変わった気がしますが?

外山啓介 2011年に天皇皇后両陛下にお聞き頂いているんですよ。それが自分の中で大きなきっかけになっていて。2012年は結構難しいプログラムだったんですけど、それをやらせてもらえたことに対して、自分の伝えたいことを伝えられたという充実感がとても大きかった。自分にとってすごく大きな年だったし、良い意味で変らなきゃって思った。
「展覧会の絵」は初めて自分が弾きたい気持ちを押し通した選曲でしたからね。でも昔はあんまり好きじゃなかったんです。技巧的に大変だし、コンクールで点を取るための曲というイメージ。弾ける人はバリバリ完璧に弾くし、自分が弾く必要はないと思っていたのが、アンスネスの録音を聴いて、こんなに良い曲だったんだって気づいて、それをツアーでやらせてもらえて。あくまでも自分の感覚ですけど、2012年の演奏は悪くなかったと思います。

財団 確かに素晴らしい演奏でした

外山啓介 そこから何か、自分にも少しは価値があると思えるようになりましたし、それを感じた時にとても楽しくなって来ました。お客さんの反応を吸収すること、あと来ていただくっていう責任と…色んな事がうまくポンッと重なったのが2012年だったかな。行徳で演奏させて頂いた時に小坂裕子先生(当財団音楽総合プロデューサー)に褒めて頂いたのも、実はすごく大きかったです。

財団 今、大学で講師をされていますよね。生徒さんには、どんなことを仰っていますか?

外山啓介 「アンサンブルをたくさんしなさい」って言っています。それは自分が言われてきたことで、僕は歌や管楽器との合せが多かったんですけど。歌は2~4年生まで毎週レッスンが入っていました。ある時サックスのソナタの伴奏で、自分もこういう風に弾けるんだ!って思った経験もありましたし、色んなことを学びました。だから、ピアニストで「ソロだけ」っていうのは勿体ないなって思います。

財団 アンサンブルをすることで、自分一人では見えなかったものが引き出されたりしますよね

外山啓介 大学1年生の時に、大学に入って初めての伴奏で、「君は将来どうなりたいの?」って言われて、「分かりません」「でもオケとかとやりたいの?」「いつかはやりたいです」「じゃあ楽器の伴奏たくさんしなさい」って言われたんですよ。初めてオケとやったのが3年生で、もうオケとか訳分かんないって思ってたんですけど、その先生の言葉がパッと思い浮かんで、あ、そうか、それぞれの楽器と1対、1対、1対1だって。伴奏も色々やらせてもらえたから、もちろんそこからさらに経験を積ませてもらって、というのもありますけど。だからなるべく自分の生徒にはアンサンブルをたくさんやりなさいって言ってますね。

外山啓介

財団 教えることは大変ですか?

外山啓介 でも凄く勉強になります。自分もここ苦手なんだよなとか、自分で練習してるとわからないけど、客観的に生徒を見てると、なるほどそういう事なのかっていうのが分かる時もあります。何て言ったら伝わるかをすごく考えるので、学校から帰ると頭が一杯。頭が疲れるかな。

財団 ひとり暮らしと伺いましたが、お料理はされますか?

外山啓介 してますよ。料理自体が好きって訳でもないんですけど。出来たら作りたくはないですけど、イヤではないです。

財団 手とか怪我しないんですか?

外山啓介 しないです。しますか?包丁で手切ってとか?(笑)

財団 得意な料理はありますか?

外山啓介 面倒くさい時は圧力鍋で角煮とか作りますね。適当に作ることか出来なくて、必ずレシピを見て作ってます。あとはなるべく野菜を食べるように、一応気をつけています。

財団 外山さんの演奏会は親子連れの方も多いですが、嬉しいですか?

外山啓介 自分が親に連れて行ってもらっていたのを凄く思い出しますね。

財団 良く行かれていたんですか?

外山啓介 はい。CD買ってサインしてもらったり(笑)そういう経験ってよく覚えているので、小学生や中学生でピアニストを目指している子が大きくなった時に「そういえばアイツの演奏会行ったな」って思い出してもらえれば嬉しいですね(笑)

財団 ご自身が最近行かれたコンサートで印象に残っているコンサートはありますか?

外山啓介 印象に残ってるのは、半年ほど前ですけどやはりアンスネスですね。素晴らしかったです。神様だと思ってるので。なんかね、自分が情けなくなりましたね。本当に素晴らしかったので、もっと頑張らなきゃなって思えたし、あの空間に居られたことが幸せだった。
コンサートに行くことで、客観的に自分の仕事ってこういう事なんだなとか、その責任を改めて知るというか。やっぱり聴きに行って良かったなって思うし、もっと責任感を持って頑張って行かなきゃって改めて思いますね。

財団 今後の展望やビジョンなどはありますか?

外山啓介 室内楽をもっと上手になりたいです。あとは、演奏家として自分が今まで手を伸ばさなかったものにも挑戦したいですね。そしてきちんと『本物』になって行きたい。勿論『本物』になるのは茨の道だと思います。でも30歳から40歳は大事な時期だと思うので、40歳になった時に「この10年もっと大事にしとけばよかったな」って思わなくてすむように頑張りたいですね。う~ん、でもきっと「30代もっとちゃんとしとけば良かった~」って言ってそうですけどね…(笑)

財団 外山さんから皆さんにメッセージをお願いします

外山啓介 今回は市川だけの特別プログラムになっておりますのでぜひ会場にお越しください!
お待ちしております。