大学在学中から展覧会をはじめとする文化事業の企画運営に興味があり、特に文化振興財団は公的な幅広い視野から地域に密着した事業企画を行える点が魅力的でした。
市川市は歴史も古く、様々な文化人が暮らした文化の街としても知られています。多様な文化事業を展開できる土壌があることが決め手となりました。
お客様の対応や電話対応はもちろん、チケットの販売管理からホールでの公演準備、プログラムやチラシの作成、出演者との連絡や、展覧会においては出品交渉から会場図面の作成と作品搬入、イベントの広報、SNSの運用など業務は多岐にわたります。書類の作成やシステム管理など細かいデスクワークも多いですが、舞台袖や展示設営の現場で、準備してきたことを形にしていく時間は楽しいです。
特に、市川市で活動する作家をPRする「市川ゆかりの作家展」や、若くフレッシュな演奏家を応援する「新人演奏家コンクール」、市民の方と一緒に企画をつくりあげていく「市川市民文化サポーター事業」などでは、皆でアイデアを出し合って一つの企画を実現する過程にやりがいを感じます。
入職前はギャラリーでの展覧会か音楽ホールでの公演、どちらかの業務を担当すると考えていましたが、実際仕事についてみると、展覧会や公演はもちろん、寄席や造形ワークショップ、講座やコンクール、コンサートにしても乳幼児から入れる親子向けの公演から本格的なクラシックまで、規模もジャンルも多様なイベントに関わるうえ、日常的な施設運営の業務もありますので、最初は全て両立させていくのが大変でした。しかし慣れてくると経験を活かせる場面が増えますし、自分のアイデアを提案できるチャンスや新しい勉強の機会も多く、日々新鮮な発見があります。
担当した公演や展覧会のアンケートで「こんな良い企画をありがとう」とコメントをいただけた時や、作家や出演者から感謝された時はとても嬉しく、モチベーションにも繋がります。
今は、社会における公立文化施設の真価が様々な場面で問われている時期だと思います。より市川市にひらけた魅力的な文化施設としていけるよう、メインとなるポップスやクラシックコンサートの実施だけでなく、今までになかった博物系の展覧会や音楽ワークショップ、戯曲や文学分野でのイベント、朗読やコンテンポラリーダンスなど、様々な層に届くバラエティに富んだ企画ラインナップを揃えて、幅広い世代にご来館いただける文化拠点になると良いと思います。市川市は豊かな文化資源が眠っている街ですので、それを少しずつ掘り起こしながら、オリジナルの魅力を企画で出せるよう頑張ります。
応募者の方にはぜひ「この場所でどんな事業ができるだろう」という好奇心を持って当財団に来てほしいです。
私は社会人学生として大学院に通いながら働いています。大学院では芸術文化関連の勉強をしていますので業務に活かせることもありますし、逆に実務の経験が研究に気付きを与えてくれる場合もあり、どちらも私にとっては新鮮な時間となっています。
学生と社会人を両立する苦労は、やはり時間の捻出や、仕事と研究の考え方の違いにありますが、先輩や同僚が大学院の話を気軽に聞いてくれるので職場で過ごす時間がストレスになることはありません。新しいことにチャレンジしたいと思った時に向き合ってくれる場所だと思います。